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神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, No. 9, pp. 000-000, 2017
doi:10.5047/gseku.j.2017.001

研究論文

津波襲来時の災害時要援護者の搬送避難に関する事例研究
東日本大震災の津波における車いす・リヤカーを用いた屋外の搬送避難

大津 暢人1・北後 明彦2・ピニェイロ アベウ タイチ コンノ3

1工学研究科建築学専攻
2都市安全研究センター
3工学研究科

(受付:November 22, 2016 受理:April 25, 2017 公開:May 2, 2017)

キーワード: 災害時要援護者、津波避難、車いす、リヤカー、2011年東北地方太平洋沖地震

本研究は、災害時要援護者の車いす・リヤカーを用いた屋外の搬送避難について2011年東北地方太平洋沖地震における津波避難の7事例を分析したものである。7事例の内訳は、家族や住民による避難支援が4事例、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなど施設による避難支援が3事例である。7事例を収集した結果、以下の3点が明らかになった。(1)地震発生直後に避難開始した事例3では、死者が発生しなかった。(2)1次避難場所の高度が不足し、津波を覚知後に2次避難を余儀なくされた事例では、多数の死者が発生した。(3)リヤカーに関して訓練は行われていたものの実災害での使用事例は1件のみであった。今後の津波災害に備えて、当初から十分な標高の避難場所を計画し訓練することに加えて、自主防災組織等における車いすやリヤカーの保管場所や運用方法を検討する必要がある。


[Full text] (PDF 1.5 MB)