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神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, No. 5, pp. 13-24, 2013
doi:10.5047/gseku.j.2013.003

浪江町請戸地区における場所の記憶の保存と活用に関する試論
被災地域におけるグリーフワークとしての1/500 復元模型を用いた着彩-対話型ワークショップの提案

槻橋 修1・友渕 貴之1・秋田 遼介1

1 工学研究科建築学専攻

(受付:April 19, 2013 受理:July 19, 2013 公開:September 25, 2013)

キーワード: 東北地方太平洋沖地震、復元模型、ワークショップ、グリーフワーク、記憶

東北地方太平洋沖地震にともなう大津波によって壊滅的な被害を受けた福島県浪江町請戸地区では、同時に発生した福島第一原発事故による避難区域に指定され、住民は県内外の各地に分散して避難生活を送っている。郷里に入ることも許されない中、被災前の生活空間についての記憶が次第に失われることは大変深刻である。筆者らは東北地方太平洋沖地震で住み慣れた街を喪失するという悲嘆体験に対するグリーフワーク(喪の作業)として、被災前の街や集落を縮尺1/500の白い模型で復元し、着彩と対話による市民とのワークショップを通して、そこに生活していた人々の記憶を収集・記録する方法を考案し、これまで岩手・宮城・福島各県の13 の被災地において実践してきた。本試論では、浪江町請戸地区において行ったワークショップを通して参加者から得られた証言「つぶやき」の整理・分類を行い、貴重なオリジナルデータとして地域再生のために再活用する可能性について検討するとともに、人々の記憶によって再構築される請戸地区の生活空間の特性について考察を行った。


[Full text] (PDF 11 MB)