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神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, No. 3, pp. 10-15, 2011
doi:10.5047/gseku.j.2011.005

微細穿孔板(MPP)と通気性膜からなる2 重吸音構造の吸音特性-多孔質吸音材を挿入することによる影響-

阪上 公博1・小畠 星司1・森本 政之1

1工学研究科建築学専攻

(受付:November 2, 2011 受理:November 28, 2011 公開:November 30, 2011)

キーワード: 微細穿孔板,MPP,通気性膜,多孔質吸音材,吸音特性

微細穿孔板(MPP)は次世代の吸音材として近年注目を集めているが,共鳴型の吸音機構のため,吸音特性が周波数選択的である.その吸音特性をさらに広帯域にする試みがこれまでにも多数行われてきた.一つの方法として,背後に多孔質吸音層を挿入する方法が提案され,その効果が示されているが,本研究では,さらにMPP,多孔質吸音材,および通気性膜材料を組み合わせた吸音体について検討を行った.検討には波動理論に基づく理論解析を用いて行った.入射側にMPPと多孔質吸音層を配した場合は,MPPの特性が支配的となり,共鳴型の吸音特性を示す.通気性膜のみでも相当な広帯域化が見られ,多孔質吸音層を加えることでそれが若干さらに広がる.しかし吸音特性の広帯域化に対しては,通気性膜の寄与が大きく,多孔質を新たに加えることによる効果はそれほど大きくない.一方,通気性膜を入射側に配した場合は,通気性膜による多孔質型吸音特性が支配的となり,MPPの寄与はほとんどないことが分かった.したがって,入射側に通気性膜,多孔質吸音層,中間にMPPを配置する吸音体はメリットが少ないことが示された.


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