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神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, No. 3, pp. 23-31, 2011
doi:10.5047/gseku.j.2011.003

ASR が生じたRC 部材のせん断耐荷性に関する実験的検討

松田 豊樹1・森川 英典1・王 健1

1 工学研究科市民工学専攻

(受付:March 30, 2011 受理:August 26, 2011 公開:September 15, 2011)

キーワード: ASR、RC 部材、せん断、劣化状態、付着・割裂破壊

ASR は劣化外力が複合的に影響を及ぼすため、構造条件や使用材料、供用年数が同じであっても劣化の進行度合いは一様ではない。そのため、従来からASR 劣化構造物の安全性評価を行うための様々な検討が行われているが、統一的な見解が得られていないのが現状であり、供試体毎の劣化状態を考慮した評価を行うことが重要であると考えられる。そこで本研究では、反応性骨材を用いて同条件で作製し、屋外曝露環境でASR を促進させた供試体に非破壊検査を行い、供試体間・供試体内における劣化状態を評価した。さらに、載荷試験を行い、劣化状態を考慮した上で力学的性能を評価した。その結果、ASR によるせん断耐力の低下はみられなかった。しかし、最終的には望ましくない破壊形態である付着・割裂破壊で終局した。付着・割裂破壊は急激で脆性的な破壊形態であるだけでなく、解析手法や補強方法が確立していないことからも、維持管理をしていくという観点において望ましい破壊形態であるとはいえない。さらに、ASR が生じた供試体の中でも、引張鉄筋位置に ASR 先行ひび割れが生じた供試体では付着すべりが生じやすく、付着・割裂破壊で終局しやすいことがわかった。


[Full text] (PDF 1.7 MB)