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神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, No. 3, pp. 54-60, 2011
doi:10.5047/gseku.j.2011.001

能動的な印象に対するメディアの影響に関する研究

山田 香織1・永井 由佳里2・田浦 俊春3

1 工学研究科機械工学専攻
2北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科
3自然科学系先端融合研究環(工学研究科機械工学専攻)

(受付:March 4, 2011 受理:April 11, 2011 公開:April 14, 2011)

キーワード: 能動的な印象,認知プロセス,感性,視聴覚

今日,デザインと人との関係において,心的な深い関わりあいが注目されるようになっており,特にモノのデザインを受け止める人間側の印象や感性を理解することが,より良いデザイン創造のために重要になってきている.とりわけ,最近ではユーザが製品に対して抱く,変化させたいという感情,想像や期待が注目されている.本研究では,製品に対してユーザの内側から生起されるこれらの想像や期待を「能動的な印象」と呼び,その特性を議論する.まず,能動的な印象のモデルについて検討し,次に,能動的な印象のきっかけとなる刺激メディアについて,その違いが,生起される印象にどのような影響を与えるか明らかにする.具体的には,オペラの構造に基づき,物語の前半を読ませた後に,刺激メディアを与えながらその続きを予想させる実験を行う.刺激メディアには,視覚刺激である光による演出と,聴覚刺激である音楽による演出を用いる.予想させた物語が記述されている文章を分析したところ,光による演出の場合の方が,より多くの能動的な印象を生起させることが分かった.このことから,刺激メディアの違いによって,能動的な印象の形成プロセスが影響を受けることが示唆された.


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