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神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, No. 2, pp. 1-13, 2010
doi:10.5047/gseku.j.2010.003

大規模イベント「ジャパン・カウントダウン2001」の高密度群集滞留の予見と危機の回避が出来なかった要因に関する事例分析

Prevision of an Interrupted Flow of the Crowd in High -Density and Analysis of the Factors & Reasons why Risk could not be avoided at Large-scale Event“Japan Countdown 2001

貝辻 正利1*・北後 明彦2

1工学研究科建築学専攻
2都市安全研究センター

(受付:July 4, 2010 受理:October 15, 2010 公開:October 18, 2010)

キーワード: 大規模イベント、高密度滞留、警備対策、危機回避

明石大蔵海岸で開催された明石海峡世紀越えイベント「ジャパン・カウントダウン2001」で、会場と 最寄りのJR 朝霧駅を結ぶ朝霧歩道橋で雑踏事故寸前の高密度群集滞留が発生した。緊急警備措置の結果 雑踏事故は回避されたが、この世紀越えイベントの約7 ヶ月後に同じ場所で開催された明石市民夏まつ りで歩道橋雑踏事故が発生している。そこで本研究は、世紀越えイベントの開催実態を分析することに より、高密度群集滞留の予見及び高密度群集滞留危機を回避出来なかった要因を明らかにすることを目 的とする。
分析の結果、歩道橋での高密度群集滞留を予見出来なかった要因は、イベント構成主体をはじめ警察、 消防、行政が、安全対策に関する各種情報を共有し、開催現場実態に基く会場適正など、警備対策をイ ベント総合対策と位置付けた検討と危険抽出による危険認識を共有しなかったことが要因である。
また、歩道橋での高密度群集滞留危機を回避出来なかった要因は、総合安全対策検討欠如等に起因す る警備計画の検討不足、警備本部の機能不全及び警察との連携不足の可能性が大きい。しかし、早期に 二次導線迂回措置や帰路一方通行を実施しても、歩道橋の目隠しなどの滞留防止措置がなかったため花 火打ち上げ時の群集滞留と混雑範囲の拡大は回避出来なかったと推定される。


[Full text] (PDF 6 MB)