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神戸大学大学院工学研究科紀要, No. 1, pp. 36-42, 2009
doi:10.5047/gseku.j.2009.004

塩害劣化の不確定性を考慮したRC 橋の耐荷力評価における 安全係数のキャリブレーション

狩野 裕之1・森川 英典1

1 工学研究科市民工学専攻

(受付:October 13, 2009 受理:January 18, 2010 公開:January 21, 2010)

キーワード: 塩害,不確定性,安全係数,曲げ耐力,せん断耐力

塩害により劣化したRC 橋の主桁の断面耐力について,劣化要因の不確定性を確率変数とする統計的手 法によることなく,従来の確定論的手法によって簡便に安全側の評価を行うことを目的として,劣化要 因の不確定性を既往の設計計算手法に考慮するための安全係数について検討した。実橋3 橋の現場試験 に基づき塩害による劣化要因の不確定性を考慮した信頼性解析結果と,既往の設計計算手法により得ら れた断面耐力との比較により,計算手法の違いによる影響および塩害による鉄筋腐食の影響に対する安 全係数を提案し,現実的な評価値として信頼性解析における95%非超過確率値に対するキャリブレーシ ョンを行った。鉄筋腐食を考慮する安全係数は鉄筋腐食の進行に伴う不確定性の増加が曲げ耐力に与え る影響を考慮するため,腐食の状態をパラメータとした関数とした。また,計算値と実際の構造物の断 面耐力のばらつきを考慮する安全係数を提案し,複数の実橋の桁に対して実施された破壊試験結果と計 算値との比較を行った既往の研究を参考に設定した値を例示した。既往の設計計算手法に本研究で設定 した塩害劣化による不確定性を考慮した安全係数を適用することで断面耐力を安全側に評価できた。


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